量子力学がわかってどこが悪い!
量子電磁気学という分野を開拓したファインマンは、「量子力学」の巻を書きたくて教科書を執筆したと言っても過言ではないだろう。特にこの巻にはファインマンの研究哲学が随所に現れている。と言っても、この世の中、物理専攻生だけではない、というかゼロコンマ以下である。悲しいかな名講義も聴衆に依存するのである。99.9..%の人には量子力学はわからないのか、わかってはいけないのか。そこで朗報である。気鋭のサイエンスライター・竹内薫氏が梯子を作ってくれた。それが本書である。自らファインマン物理学で物理を修得したという著者ならでは、気配りが随所にちりばめられている。説明が丁寧な所は、竹内氏も理解に苦労した点ではないだろうか。本書を読んでから、ファインマンを読むのも一考である。くれぐれも、本書で終わらせないように。アインシュタインもファインマンも数式を思い浮かべて業績を成したわけではない。数学はもちろん不可欠だが、物理学的イメージこそ物理学の本質であることを本書は知らしめてくれる。それは物理学を学ぶ者は誰しもがわかっていることである。
好著だと思います。
〜自分自身が岩波の『ファインマン物理学』で物理を独学した経験がありますし、(学習塾の講師という)職業上の理由もあって、高校生に「活きた物理」そして「何が解っていて何が解っていないか」ということを教えたいと日々思っております。ただし昨今の高校生にとっては、岩波版は難解であると言われ、また大部であることから、なかなか奨められません。〜〜本著は高校生に読んでもらいたいと感じる一方で、自分自身がどのように教えれば、ファインマンのように活きた物理を生徒に伝えられるかに関しての指針を与えてくれます。高校生のみならず、教育関係者、それから物理に興味を持っていて、いずれファインマンを読みたいと思っておられるかたに対しても、熟読する値打ちのある好著であると思います。 難点は〜〜、あえて数式が省略してある部分がある点です。たしかに初学者にとっては、「数式の大群」というものが、書物を読む上において敬遠する要因になるという理由もありますが、原著のように、必要な箇所では数式による記述をおしまないというほうが、かえって理解を助けるものではないかと思われます。もちろん、(誤解を招かない範囲で)イメージの図が添えてあ〜〜れば、数式を理解する一助になります。 吉田武さんのベストセラー『オイラーの贈物』では、数式に番号を附けず、必要があれば同じ数式が何度も記載されています。何度も出てくる数式というものはそれだけ重要な意味を有しており、例えば(2-11式)というように書いてあって、後でページを遡らなければ数式を読み返せないようでは、学習の妨げになります。この〜〜あたりは、ページ数を増やして大部にしたくないという出版社側の意図もあるのでしょうが、たとえページ数が増えようとも、必要な数式や概念図は何度も記載して、「前のページを読み返す必要がない」ようになっていれば星5つという感想です。〜
「ファインマン物理学を読む」を読む
ファインマン物理学って名著と呼ばれているけど、すばらしいと思わないんだよねと思うあなた。何いってるかわかんないというあなた。私もそうでした。わからないって。だからディラックに走りました。ディラックも難しいけれど、すっきりしているので、私は好きです。ブラとケットも結局ディラック読まないとわかんないしね。だからファインマンなんてごちゃごちゃ書いてあってわかんないと思ってました。この本を読むまでは。この本は、ファインマン物理学、とくに量子力学に関して、わかりやすく書かれています。あのとっつきにくいごちゃごちゃがすっきりまとめられていて、なおかつ、わかりやすく書かれています。この本を読んでから、再び、ファインマン物理学を読んでみてください。きっと見方が変わります。また、著者は竹内薫氏。竹内ファンにはたまらない一冊になっています。竹内ファンでない方も読んでみてください。竹内マジックのとりこになることうけあいです。
講談社
「ファインマン物理学」を読む―電磁気学を中心として 「ファインマン物理学」を読む 力学と熱力学を中心として ファインマン物理学 (5) ファインマン物理学 (4) ファインマン流物理がわかるコツ
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